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高橋 史明
no journal, ,
原子力機構では、数値解析法に基づく線量評価を可能とする放射線輸送計算コードPHITSや日本人成人モデルの開発を進め、放射線防護分野等に適用している。近年では、福島第一原子力発電所事故後に放射性セシウムによる公衆の外部被ばくについて、PHITSにより必要な線量評価データを解析した。ここでは、大規模な環境中における光子輸送計算法を開発し、様々な年齢の被ばく者が受ける被ばく線量(実効線量)を放射性セシウムの濃度から推定する際に必要な換算係数を解析した。また、放射性セシウムの移行を加味して将来の積算線量を評価する手法を開発し、PHITSにより屋内での線量低減を推定できるデータも評価した。さらに、公衆被ばくにおける個人線量計による測定値と実効線量の関係を明らかにした。これらのデータは、住民帰還へ向けた線量予測、個人線量計によるモニタリングの妥当性を検証した有益なものである。本講演では、これらの成果と今後の原子力機構における研究展開を紹介する。